『ブンタール』とは、フィリピン原産のココヤシの枝から採れる繊維を細やかに編み上げた、特に高級とされる素材です。軽やかで心地よい肌触り、そして芸術品のように美しい光沢と繊細な編み目が特徴で、夏の帽子の中でもひときわ上質な存在として知られています。
しかし、この素材を扱うことは決して容易ではありません。繊維は極めて薄く、伸縮性がないため、強い圧力や熱を加えるとすぐに裂けたりしわが残ってしまいます。扱える職人は限られ、さらに近年は編み手の継承も途絶えつつあり、ブンタールハットは年々姿を消しているのが現状です。だからこそ、一つのブンタールハットが持つ価値は非常に大きく、今や希少な存在となっています。
森安が磨いてきたブンタールへの向き合い方
森安では、ブンタールという繊細な素材に合わせ、蒸気を使わず手とアイロンのみで形を整える独自の方法を採用しています。わずかな温度や圧力の違いで繊維が変形してしまうため、経験に基づく感覚と手の精度がすべて。
一つひとつのラインを丁寧に見極め、繊維を傷めずに形を保つことで、ブンタール特有の光沢と質感を最大限に生かします。その結果、まるで革のような深い艶と、しなやかで上品な仕上がりを実現しています。
森安の強み ―「ブンタールを生かす技」

希少で扱いの難しい素材を、森安は長年培ってきた技術によって形にしています。
そこには3つの強みがあります。
繊維を傷めない手仕事の技
蒸気を使わず、手とアイロンによって繊維を丁寧に整え、ブンタール本来の風合いを保ちます。
光沢を最大限に引き出す特殊加工
独自の工程によって、深みのある光沢と上質な質感を表現します。
他では難しい細やかな調整力
素材の特徴を理解し尽くした職人だからこそ、帽子のサイズやフォルムを一つひとつ調整できます。
希少な素材を未来につなぐ – ご相談はいつでもお気軽に
ブンタールハットは、単なる帽子ではありません。
素材の希少性と、それを生かしきる職人の技が合わさって初めて形になるものです。森安がつくるブンタールハットには、職人が素材に向き合い続けてきた時間と、次の世代へ伝えていくべき価値が込められています。希少だからこそ、一点一点に込められた物語があり、手にした瞬間にその特別さを感じていただけるはずです。

森安では、仕様やサイズ、素材のニュアンスなど、細かなご要望にも一つひとつ丁寧に対応しています。
「こんな帽子をつくりたい」というイメージの段階からでも大丈夫です。
ブンタールをはじめ、帽子の制作やカスタマイズに関することは、いつでもお気軽にご相談ください。
一点ものから小ロットまで、職人の手で形にしていきます。